特許、その存在は多くの人が知っていると思います。
簡単に言うと、ある発明に対してその発明者に権利を与えることで、第三者が功績や利益を横取りしないように保護するものです。
とある主婦が考えた便利な洗濯バサミの噂を聞きつけた企業が、大量生産して利益を得るなんてことを防ぐといった事が存在の理由ですね。多分・・・。
そしてこの制度はゲームにだって存在します。
電子機器である本体はもちろんの事、そのシステムにも特許は適応されているのです。
新しい表現方法とか、技を覚える演出や手段というようにあらゆる箇所で様々な特許が取られています。
思いついた新しいアイデアに対する当然の権利。
しかしながらそれがあれもこれもと熾烈を極めてくると、問題が発生し始めます。
例えば、「敵を倒して経験値を得ることでプレイヤーが成長する」こんな特許がとられたらどうでしょう。
RPGというジャンルはほぼ全てこの特許を取った人もしくは会社しか作れなくなってしまいます。
実際こんな特許は無かったと思いますが、これに匹敵するトンでも特許は多々存在します。
これは果たしてゲームの世界において吉なのか凶なのか。
なんて言ってみましたが、こういった場合2極論になってしまうのは良いことではないですね。
現実問題、特許が良いゲームの誕生を妨げている面はあると思います。
面白いシステムが思いついた。でも他の部分はどんなに考えてもあのゲームのあのシステムが最良だ。でもそれは特許がとられている。これは狭いジャンルになればなるほどよく発生します。
これでは良いゲームは特許を取った会社が頑張る以外、出ることはないですよね?
あ、でも特許は何も取られたら他の人は絶対に使えない物ではないです。
使用料を払う事で買い取ったり使用させてもらったりすることは出来ます。
が、その料金は出願者と要相談。買取ではなく、使用する場合商品1個あたりに対してパーセンテージで設定することは決まっているようですが、厳密に設定されていない為簡単に言えば出願者のさじ加減というわけです。
当然ライバルとなるような企業や商品に対してはとんでもない数値をふっかけるでしょう。
これでは結局使用料の制度はあってないようなものではないか。
申請時にパーセンテージを明記すべきではないのか。そんなことを考えてしまいます。
さらに他にも問題は山積みです。
上にも書いてあるように、とんでもなくアバウトで広範囲な特許もあり、その審査そのものにも疑問があります。
とてもゲームの専門家が判断しているとも思えない独占的特許の山は見ていて驚愕するものがあります。
また、特許はその定義に抵触しているのかどうかがものすごくわかりにくいです。
弁理士とかいう専門の人たちが自分たちにしか解らない難解で回りくどくて訳のわからない言い回しでグダグダと書き連ねた特許の文面は見るだけで腹が立ちます。
こんなものに縛られて、ゲーム業界の未来が明るいものかどうか、どう思いますか?
もちろん特許が守ろうとしている発明者の権利はとても重要なものです。それが無いとそれはそれでゲーム業界の未来は混沌を極めてしまうでしょう。でもね、そこにいつの間にかこべりついた私利私欲というか独占欲というかそう言うのはそぎ落とさないといけないんじゃないですか?
良い悪いではなく、どんな問題があってどう解決するべきなのか。
人間にはこういう考え方が、今ものすごく不足してませんか?